場の中の粒子のエネルギーと運動量の関係

 エネルギーと運動量を持つの場の中に、質量mの粒子があったとする。この粒子は帯電していて場からエネルギーと運動量を与えらえるものと仮定しよう。そのとき、粒子のエネルギーと運動量をそれぞれ {\textit{H}}{\textit{P}}とする。この場の中にある粒子のエネルギーと運動量の関係は、場のない自由な状態のエネルギーと運動量での関係とは異なる。そこで、場のない自由な状態のエネルギーの2乗が運動量の2乗と質量の2乗の和に引き戻して関係式を立てると、 {( \textit{H} - e \phi )^2 = ( \textit{P} - e \textit{A} )^2 + \textit{m}^2  }となる。

 なお、ここで粒子に影響を与える場は、粒子自身が生み出した場からは影響を受けないと仮定している。実際は粒子は帯電しているので場の源となり、粒子の周りに場を作り出す。しかし、粒子自らが作る場は、粒子自身に影響を与えないのは一見不自然である。なぜなら、粒子が存在する場所以外では、粒子以外がつくる場と粒子がつくる場の重ね合わせであるので、場の連続性が粒子が存在する点で途切れる。すなわち不連続となる。

 また別の観点で、粒子の質量がmであるとして議論を進めたが、そもそも質量とは何であるのか。質量は相対論の議論より、粒子の静止エネルギーに対応する。粒子が源となる場のエネルギーの総和をも含む。そのように見ると、粒子の質量は粒子がつくる場の影響を表していると考えられる。ならば、粒子の質量と粒子がつくる場の影響の両方を考えるとことは、ダブルカウントとなってしまう。ということで、ここで二つの種類の質量を考える必要がある。一つは粒子自身の固有の質量というもので、もう一つは粒子が場の影響を受けて生じる質量である。前者を固有質量、後者を有効質量とでも呼ぼう。

電場とスカラーおよびベクトルポテンシャルの関係

 そこで、場がいわゆる通常の保存力であるとし、さらに力積としても”保存力”であると仮定しよう。そして、場からの力は以下の式で与えられると考えるのは自然であろう。

{\textit{E}=-\nabla \phi -\frac{\partial \textit{A}}{\partial t}}

 また力{\textit{E}}スカラーポテンシャル{\phi }ベクトルポテンシャル{ \textit{A}}の関係が上式のようなものであるので、スカラーポテンシャルをエネルギーベクトルポテンシャル運動量と見なそう。これは通例の電磁場のエネルギーとは異なる定義なので、とりあえずここでのというものは通常の電磁場とは別物と考えること。

力の時間積分(力積)としてのベクトルポテンシャルの定義

 基準点からある位置までの仕事を計算して、スカラーポテンシャルを求めるという話は良くある(というか、定義と言って良いかも)。しかし、基準時刻からある時刻までの力積を計算して、ベクトルポテンシャルを定義するという話が出て来ない。相対論的に考えれば空間と時間を対称に扱うのだから、このような定義があっても良さそうなのに、なぜのないのだろう?

 具体的な例として、電磁ポテンシャルで、スカラーポテンシャルの位置に関する微分(勾配)と、ベクトルポテンシャルの時間に関する微分の和(正式には両者にマイナス符号をつけたもの)が、電界となるということは、ベクトルポテンシャルを力積として定義しても良いということを示していないだろうか?